スマートフォンやタブレットなどモバイル端末でWebサイトを閲覧するユーザーが急増したことによって、「モバイルファースト」と呼ばれる考え方が重要視されるようになりました。

モバイルファーストは、「スマートフォン向けのWebサイトだけを作ったり、先に公開したりすること」という意味に捉えられがちですが、必ずしもそうではありません。モバイルファーストが持つ意味は、もっと広義なものなのです。

今回は、サイト制作者のなかでも勘違いしている人が多い、モバイルファーストの考え方について解説します。


モバイルファーストとはユーザーのニーズに対する最適化

これまでのサイト制作のフローでは、パソコン向けサイトを作り、その後でスマートフォン・タブレット用に最適化するのが一般的でした。

しかし、モバイル端末からのアクセスが増加している昨今、そのフローではユーザー中心のサイト制作、すなわち、ユーザーのニーズに最適化することが難しくなりました。

そこで登場したのが、モバイルファーストの考え方。その結果、Webサイトのデザインや仕様などをパソコン向けではなく、スマートフォンやタブレットをはじめとしたユーザーの閲覧環境を優先的に考えたサイト制作が求められるようになりました。

モバイルファーストで押さえておくべきサイト制作5つのポイントとは?

ユーザーの閲覧環境に最適化したモバイルファーストでのサイト制作では、「どこでも・どんなときでも・誰にでも・簡単に」使えるサイト作りを心がけなければなりません。
では、具体的にどういったポイントに気をつけてサイト制作すればいいのでしょうか?

1.画面サイズに配慮する

モバイル端末にはさまざまな種類がありそれぞれ画面サイズも異なります。ユーザーがどんなデバイスからサイトに訪れたとしても閲覧しやすいよう、画面サイズに配慮したサイト制作は欠かせません。

2.レイアウトに配慮する

スマートフォンやタブレットを利用する際、必ずしもすべてのユーザーが画面を縦向きに固定して閲覧するとは限りません。たとえ横向きの画面で閲覧したとしても、最適なレイアウトで閲覧できるような配慮が求められます。

3.モバイル端末での操作に配慮する

パソコンではマウスを使ってカーソル操作する動作が一般的です。一方、モバイル端末ではタッチやスワイプなど、画面に指を触れて操作するケースがほとんど。指で操作する際の操作性や、触れやすいボタンのサイズなどに配慮するようにしましょう。

4.ページの表示速度に配慮する

モバイル端末は移動中などに利用することが多く、Webサイトの情報を「ながら読み」するユーザーが多いもの。ページの表示速度が遅いと、ユーザーにストレスを与えてしまいます。
画像の最適化やファイルの軽量化はもちろんのこと、キャッシュを利用するなどし、ユーザーに快適なブラウジングを提供できるよう配慮する必要があります。

5.提供するコンテンツに配慮する

パソコンで情報を閲覧するときとモバイル端末の場合とでは、求めているコンテンツが異なるケースが多いもの。モバイル端末で情報収集するターゲット像を明確にし、ニーズに合ったコンテンツを提供できるよう配慮しましょう。

SEOでもモバイルファーストが欠かせない時代に

検索エンジン最大手のGoogleは2018年3月27日に、「モバイルファーストインデックス」の開始をアナウンスしました。

モバイルファーストインデックスとは、パソコン向けサイトではなくスマートフォン向けサイトのページ評価を、検索インデックスの基準にするという方針です。

モバイルファーストインデックスが適用されたサイトでは、クローラーがスマートフォン向けサイトを中心に巡回し、検索エンジンのデータベースにインデックスすることになります。

スマートフォン向けサイトを提供していない場合、検索エンジンで上位に表示されにくくなるモバイルフレンドリーの方針から数年、ついに検索エンジンでもモバイルファーストの考え方が取り入られることになりました。

コスト削減のため、主要ページだけをスマートフォンに対応させているケースや、必要なコンテンツだけに絞ってスマートフォン向けサイトを構成しているケースでは今後、検索エンジンで高い評価を受けることが難しくなると考えられています。

サイト制作の考え方だけでなく、Webサイトへの集客に欠かせないSEOの観点からも、モバイルファーストの考え方はますます重要性を増していくことでしょう。

おもてなしの意識を持ってサイト制作をする

モバイルファーストを考えたとき、「これからはスマートフォンサイトを中心にサイト制作をするべき」といった考え方や、「SEO対策を考えるならスマートフォンサイトだけに注力するべき」などと、「べき論」で捉えてしまうかもしれません。しかし、モバイルファーストの考え方の根幹にあるのは、「ユーザーを中心に据えたサイト制作を心がける」ことです。

ユーザーが望んだ場所で望んだときに、ストレスなくWebサイトを利用してもらえるよう、おもてなしの意識を持ってサイト制作をすることが、モバイルファーストの正しい捉え方なのかもしれませんね。